2011年5月26日木曜日

血と肉とアフロと短髪

「映画はなくても生きていけるけど、音楽はなくては生きていけない」

高校時代、友人が言った言葉。

その時は「ふーん、そうか」と思ったけど、
今では「そうだ」と言える。

高校時代に時代の寵児といわれた、とあるバンドの新譜を聞いて
ふいにその言葉を思い出した。

ちょっと前の話だけれど。




強靭なアンサンブル。

摩訶不思議なギターリフ。

ギターとベースが時折ユニゾンして。

リズムに忠実なカッティングが心を踊らせて。

メロディの転調具合が巧みで涙腺が緩んで。

おまけにアフロだったギタリストの頭は短髪だ。




こんなの、彼らにしかできませんでしょう。


僕らが高校生の時、流れ星のように
いや隕石のように現れた音楽。

2000年代のロックンロール・リヴァイバルは彼らから始まった。

ギターの音色も、歌い方も、当時の曲の構成からしても、
ついでにファッションも、度肝を抜かれた。




1個前のアルバムが
裏の裏を読んだ内容だったので
今や彼らに期待しちゃいなかったけど、

今回のシングルカットの曲を
ラジオかなんかで聴いた瞬間に
一瞬で当時の感覚がビビッと湧きました。


すでにオールドファッションっっっドな感じはひとつもないけど。
アルバムにはそっち方面にいったらダメでしょ、って曲ばっかり入ってるけど。


でもビビッときました。1曲で夜中に1人で踊りました。いろいろどうでもよくなりました。




クラブでかかるミニマルな電子音楽とか、アウトドアで機能するようなオーガニックな音楽もいい。

でも僕はずっとロックバンド音楽が一番好きだ。
内に籠っていく感覚をかたちにしてくれるのはいつもロック音楽でしょ。

こういう音楽はずっとベッドルームミュージックでいいんです。
1人で聴いてりゃいいんです。


やっぱり、こういうバンドがいてくれるから
生きていける。

いろいろと経験して
ひとまわりしてそう思う。

血と肉になってる。



でもやっぱり、この曲以外はゴミ。

2011年5月5日木曜日

古本市


5月3日に
大曲の花火商店街にある「和装 はきもの 加藤」さんで開催された
『古本市』にお手伝いとして参加させて頂きました。


出品者の数は多くはないですが、
個性的な方々ばかり。

ご来店されたお客様よりも
私が数多く本を買ってしまいました。


普段よく読む小説は
苦手な古典の新約だったり、ずっと読みたいと思っていたけれど
手にすることのなかった江戸川乱歩など。

雑誌は古本市ということもあって
90代後半〜00年代半ばまでが多く、
今まで読んだことのなかった「流行通信」が目にとまりました。


あとはグラフィックものや民藝ものが多いのですが、
この古本市がなければ手にすることはなかった
「洋書」をひとつ手に入れました。

『STONE IS NOT COLD』という
世界の美術館に蔵されている歴史に残る彫刻作品を
ヘタウマな絵とコラージュしている本です。

例えば蛇の頭髪を持った女神「メデューサ」が
パーマ屋で「後ろは、こんな感じでいいですか?」みたいに
頭の後ろに鏡を当てられている描写とか。

高尚な彫刻を絵本の様に噛み砕いていて、
眺めているとほっとした気分になる本です。


いい本との出会いがある古本市でした。
定期的に開催されることを願っています。


そういえば、桜が咲きました。
例年よりちょっと遅い
春の到来です。

















cherry blossom front 346